ライフル射撃


野畑 美咲 Misaki Nobata

38
 

プロフィール

生年月日 2003年8月25日
出身 大分県大分市
成績
  • 2020年 10月 全日本選手権大会優勝
  • 2022年 10月 栃木国体 優勝
    11月 アジアエアガン ジュニア 3位
  • 2023年 1月 ワールドカップ ジャカルタ 4位
    2月 ワールドカップ エジプト 11位
    4月 ワールドカップ ペルー 13位
    5月 全日本選手権大会優勝
    6月 ジュニアワールドカップ ドイツ 2位
    9月 ワールドカップ ブラジル 20位
    10月 鹿児島国体 優勝
    11月 ワールドカップファイナル カタール 13位
  • 2024年 1月 ワールドカップ エジプト 6位

2023.12.8

自分流を貫き、パリ五輪でメダルを目指す

パリ五輪が射程圏内となった。ライフル射撃・日本代表の野畑美咲(明治大2年)は、2023年6月のジュニアワールドカップの10mエアライフルで、日本女子として初のメダル獲得となる2位となった。同年10月の鹿児島国体では、成年女子10mエアライフル伏射60発で頂点に輝き、立射でも優勝して2冠を達成した。来年のパリ五輪代表選考会に向けて好調を維持している。野畑は「技術的な部分は向上しているし、気持ちをコントロールできている。パリは行くことが目標ではなく、メダル獲得を目指したい」と高い目標を設定している。

 

野畑とライフル競技の出合いは早くはない。由布高校入学を機に、「新しいことに挑戦したかった」と競技を始めた。それまでのスポーツ歴は、小学校の頃にバレーボール、中学は卓球をしていた。身体能力は決して高くはなかったが、父であり、射撃部の監督だった卓宏さんは「ライフルを構える姿勢は最初からしっくりきた」と娘のセンスを感じていた。競技を始めて3か月余りで出場した大分県高校総体ではいきなり3位に入賞し、そこから出場する大会全てで結果を出し続ける。1年半で全日本選手権大会に出場し、東京五輪出場選手を抑えて優勝したことで一気に注目を集めた。

良き理解者である指導者との出会いも野畑の競技力を飛躍的に向上させた。高校時代は、師と仰ぐ元日本代表コーチの礒部直樹さん(大分市役所)に教えを乞い、疑問に思ったことは何でも問いかけた。礒部さんの、簡単には解答を出さないがヒントを与える指導法により、野畑は「自分なりに考え、自分なりの答えを出す」ことで能力が開花した。

明治大に進学後は環境の変化についていけなかった。野畑は「高校の時は毎日放課後に練習ができたが、大学1年のときは19時に授業が終わることもあった。練習時間が短くなるなかで試合に出なければいけなかった。これまでの実績があるので、結果を出して当たり前という周りからのプレッシャーもあり、技術と精神面のバランスが取れなかった」と振り返る。これまで順調に成長曲線を描いてきた野畑は、初めて壁を感じた。それでも「乗り越えられない壁とは思わなかった。技術的な部分は落ちていなかったし、練習環境が整えば結果を出せる自信があった。もっと成長を加速するためにできることがあるとも思っていた」。

 

さらなる成長を手にするために野畑は、信頼する礒部さんの勧めもあり、日本代表のキム・ウーヨンコーチの個人指導を受けることを決めた。最初に取り組んだのがルーティンの構築だった。ライフルにおいて、心を乱さず引き金を引き、小さな的を撃ち抜くには、高い集中力と正確無比の身体操作能力が必要となる。ウーヨンコーチに「メンタルをコントロールするためには、気持ちが乱れた時に立ち返る場所が必要。それがルーティンだ」と説明され、射場に立ってから銃や時計を置く位置、呼吸回数など、事細かにルーティンを作った。当初は「もしルーティンができなかったら、それを引きずって、かえってリズムが乱れる」と懸念したが、「自分の殻を破るために、これまでと違うアプローチをしてみよう。もし、うまくいかなければ考え直せばいい」と開き直った。

ある大会で点数が思うように伸びなかった時があった。するとウーヨンコーチから「トリガー(引き金)に指をかけるタイミングがいつもより遅く、呼吸が一呼吸多かった」と指摘され、驚いた。ウーヨンコーチは野畑の動きを一挙一動見逃さず、いつものルーティンをするよう、的確にアドバイスしたのだ。野畑は「ルーティンを作ることで、自分のリズムを作り出せるようになった。体をいつもと同じように動かせば心がついてくる」ことを知った。そこから結果を残せるようになり、ウーヨンコーチに絶大の信頼を寄せることができた。普段なら気にもかけなかった呼吸を意識するようになり、引き金の重さや自分の重心など、体の細部まで神経が行き届くようになった。「高校までは何も考えずに撃っていたが、今は意識して体を動かせて、感覚を感じられる」

高校時代は勢いで日本一に上り詰めたが、今は自分の射撃スタイルと向き合い、必然と結果を出している。野畑は「練習から高いアベレージを残せるようになった。調子の波は少なくなったと思う」と成長を感じている。ただ、一方で「大きな大会でメダルが懸かったときに、練習と同じような点数を出せるかは分からない。だから場数を踏むことが必要だと感じている」と課題を口にする。日本代表クラスとなれば国際大会が戦いの場となるが、野畑は大学の大会や国体にも出場する。高校3年時に初めて日の丸を背負ってから2年余り。野畑自身、足りないものは「経験値」だと理解しているから、多くの試合に出る。大会の大きさ、注目度に関わらず、「常に謙虚でありたい」と目の前の試合に全力を尽くす。結果を出し続けることが「パリ五輪の出場につながり、メダル獲得の近道だ」と知っている。

 

NEWS

 
2023年10月11日 大分合同新聞
 
2023年5月22日 大分合同新聞
 
2022年10月7日 大分合同新聞
 
2022年2月19日 大分合同新聞
 
2021年12月14日 大分合同新聞
 
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