陸上(中・長距離)

再インタビュー

十川 裕次 Yuji Togawa

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プロフィール

成績
  • 2018年 10月 アジアパラ競技大会 2018・ジャカルタ 陸上T20 1500M/3位
  • 2021年 4月 ジャパンパラ陸上競技大会 T20 1500M 2位
    9月 東京パラリンピック T20 1500M 9位
  • 2022年 3月 日本ID陸上競技選手権大会 T20 1500M 優勝/ T20 5000M 2位
    5月 ジャパンパラ陸上競技大会 T20 1500M 優勝/ T20 5000M 優勝
    6月 日本ID陸上競技選手権大会 T20 1500M 優勝/ T20 5000M 優勝
  • 2023年 1月 新宿シティハーフマラソン 10km 男子総合 優勝
      (日本IDハーフマラソン選手権大会 10kmの部 優勝)

2023.3.31

パリパラリンピックで金メダルを取る!

箱根駅伝をテレビで見てランナーにあこがれた十川裕次は、高校から駅伝を始め、今では世界で戦う選手となった。父親の練習計画とパーソナルトレーナーの指導のもと、国内のライバルと切磋琢磨して実力を伸ばし、東京パラリンピックのハイパフォーマンスランキング(※)では5位を記録。一気に注目を集めるようになった。憧れの東京パラリンピックでは、男子1500m知的障がいクラスに出場し、9位。「思い描いた結果が出ずに悔しい思いをした」。2022年の世界ランキングでは4位となり、次のパリパラリンピックでは金メダル獲得が目標となった。
(※)東京パラリンピックにおいて、選考基準の一つとして用いられたランキング

 
―東京パラリンピックの男子1500m知的障がいクラスに出場して9位になりました。初出場のパラリンピックは、どのような舞台でしたか?
今まで、アジアパラ競技大会などの世界大会に出場したことはありますが、パラリンピックは他のどの大会と比べても一味違うと感じました。無観客でしたが、選手の雰囲気やマスコミの多さ、大会への期待度など、大きなものを感じました。メダルを取ることを目標としていたので、結果は納得できるものではありませんでした。自分の力を出し切ることができず悔しい思いをしました。大会に出て感じたことは、世界とのレベルの差です。特にヨーロッパの選手は、スローペースになっても最後の場面で出し切るスプリント力があるので、どんなレースになっても対応できるのだと感じました。彼らはレース展開を読む力もありますが、やはり体の作り方に違いを感じました。
―その中で収穫と課題を挙げるなら。
課題が明確になったことが収穫です。大きな大会にピークを持っていくコンディショニングスキル、実力が均衡したレースでの位置取り、ラストスパートでのスピードと持久力など、メダルを取るために必要なことが分かりました。
―次のパリパラリンピックに向けて、すでに動き出していますね。最近は良い結果を出していますが、好調の要因は?
一つは、私の理解者である父が練習メニューを作ってくれていること。二つ目はパーソナルトレーナーによる筋肉系の補強トレーニングを取り入れたこと。最近ではリズムトレーニングやスプリントトレーニングも加えて、体に多くの刺激を与えることができています。三つ目は、故障からの脱却を図り、スポーツ整形外科医や理学療法士など医療スタッフのサポートを受けていること。この三つが心と体をより充実させ、結果につながっていると思います。
 
―前回の取材時(2019年7月)より、体が大きくなったように感じます。
体重は3kgほど増えましたが、それ以上に筋肉量が増えたから大きく見えるのだと思います。特にハムストリング(太もも裏の筋肉)を強化し、体を支える体幹も鍛えました。走っていて体が重たいと感じたことはないし、柔軟性を同時に高めることで体をうまく使いこなせるようになっています。
―パリパラリンピックに向けて、2023年を重要な年と位置付けているようですが、どのような青写真を描いていますか?
シーズンインに向けて、1500mで3分50秒を切るための練習をしました。冬場にクロスカントリーや坂道ダッシュなど、スピードをつける練習を積極的に取り入れました。まずは4月末の日本パラ陸上、6月のジャパンパラ陸上で結果を出し、7月の世界パラ陸上でメダルを取ることができれば、パリパラリンピック出場の可能性が高くなります。1500mのほか、5000mも引き続き挑戦したいと思っています。パラリンピックの知的障がいクラスでは5000mの種目がありませんが、2種目を同時進行で強化し、メダルを取りたいです。
―中距離と長距離の二つの種目で結果を出すのは難しいのでは?
5000mは長距離とはいえ、1500mを強化するためのスタミナやスピードを強化できるし、二つの種目で勝負している選手はいます。僕の目標はパラリンピックでメダルを取ること、もう一つは5000mの日本記録を更新することなので、どちらかの種目に絞ることは考えていません。
―向上心がある限り、まだまだ記録は伸びそうですね。
“伸びしろの十川”と呼ばれていますからね(笑)。今年で27歳になりますが、まだまだ成長できると確信しています。2028年のロスパラリンピックまでは記録を伸ばし続けたいです。
―十川選手にとって陸上とは?
自分を表現でき、楽しめるもの。陸上にはずっと関わり続けたいし、自分の経験を子どもたちに伝えたいですね。
 

「シンケン聞きたい!10クエスチョン」

好きな食べ物は?/嫌いな食べ物は?
すき焼き/ショウガとタマネギ
冷蔵庫に必要なものは?
納豆。毎日欠かさず食べる
コンビニで思わず買ってしまう商品は?
カステラ。練習前に糖を手軽に取れるので
趣味は?
YouTubeと映画鑑賞
ストレス解消法は?
ドライブ
最近買ったもので、うれしかったものは?
ナイキのシューズ「ペガサス39」。シューズのこだわりは強く、ナイキを履くようになって調子が良い
オフの過ごし方は?
家でのんびりする
好きな言葉は?
ネバーギブアップ
今一番欲しいものは?
新しいシューズ
人生に必要な三つは?
仲間、家族、お金