トライアスロン

再インタビュー

新田 城二 Joji Nitta

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プロフィール

成績
  • 2017年 虹の松原トライアスロン大会/3位
  • 2018年 ASTCトライアスロンアジアカップ/19位
  • 2019年 天草宝島国際トライアスロン大会/優勝
    CAMTRIトライアスロンアメリカカップ/13位
    JTU男子スーパースプリント特別大会/13位
    第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体2019/11位
  • 2021年 日本トライアスロン選手権/25位
  • 2022年 天草宝島国際トライアスロン大会/3位
  • 2023年 アジアトライアスロンカップ(香港)/26位

2023.3.31

けがを乗り越え、気持ち一新 これから第2章が始まる

事故で不遇の時間を過ごしたが、完全復活に向けて気持ちがブレることはなかった。筋肉が衰え、満足できる結果が出なかった時期も、「自分を見つめ直す期間だ」とポジティブに捉えた。長期プランでベースづくりに励み、徐々に手応えをつかんでいる。今年29歳、年齢による衰えは全く感じない。「伸びしろがあるなら、やるしかない!」との言葉に一点の曇りもない。「ピークはその先にある」と、2028年ロス五輪での完全燃焼を目指す。

 
―トレーニング中に大きな事故に遭い、競技から長く離れていたと聞いています。復帰までの経緯を教えてください。
2020年5月に車と衝突して、右の肩鎖関節(けんさかんせつ)を脱臼し、肩甲骨(けんこうこつ)を骨折して2カ月入院しました。退院してからリハビリが続き、その後も鎖骨を固定していたボルトを抜く手術などがあり、その年はほとんど何もできないような状態でした。
―体力がものをいうトライアスロン競技において、長期離脱はどのような影響がありましたか?
リハビリでは心肺機能を高めるようなメニューをこなしていたのですが、腕を全く使えず、筋力が落ちました。極端にスイムのタイムが落ち、愕然(がくぜん)としました。
―どのようにメンタルをコントロールしたのですか?
運動自体が好きなので、引退を考えることはなかったです。2021年から気分を切り替え、焦らず事故前の体に戻し、もう一度大会で勝負できるベースをつくることを考えました。「長いスパンをかけてベースづくりを徹底する」と決めてからは焦ることもなかったし、気持ちは前向きでした。コロナ禍で大会がほとんどなかった時期でもあり、「どの大会で何位に入る」など、目標を設定しないようにしたこともよかったと思います。
 
―2021年10月の「第27回日本トライアスロン選手権」が2年ぶりの大会出場となりました。復帰への手応えはありましたか?
懸念していたスイムで大幅に遅れ、周回遅れで失格になる瀬戸際のところでした。バイク、ランも本調子ではなかったのですが、「今の実力だ」と受け止めました。ショックでなかったといえばうそになりますが、けがをしたので仕方ないと思えたし、「いずれ“完全復活”できる」という手応えは感じることができたので、ポジティブな気持ちになりました。
―その頃から徐々に大会が開催されるようになりましたが、思うような結果が出ませんでした。
調整がうまくいかず、試合感覚がつかめませんでした。2022年の栃木国体ではペットボトルを落として脱水症になり、日本選手権では戦況が読めず、完走できずに終わりました。大きな苦痛であり、悔しい敗戦でした。改めてトライアスロンの難しさを痛感させられた1年間でした。トライアスロンはスイム、バイク、ランの3種目全てに手を抜けません。それぞれ同じだけ時間をかけて練習してもタイムが伸びなかったので、「苦手な種目をなくし、得意の種目を伸ばさなければいけない。練習スケジュールのメニューも見直さなければいけない」と感じました。
―今後の取り組み、ビジョンを教えてください。
トライアスロンはランキング競技なので、過去の成績がポイント化され、獲得ポイントによって出場できる大会が決まってきます。僕は2年間、全く試合に出場できなかったので、これまでの獲得ポイントを失い、ゼロからのスタートとなりました。現状を冷静に考えると、ポイントが付加される全レースに出場するのは厳しい。ポイントを確実に稼げそうな大会に狙いを絞りたいと思っています。
また、コロナ禍でできなかった地域貢献活動として、(練習拠点となる)大分市佐賀関周辺の小中学校を訪問し、水泳指導やマラソン指導を行いたいです。2022年は佐賀関小学校、神崎小学校、佐賀関中学校で開催できました。練習していると、登下校中の生徒たちに「新田先生、頑張れ」と声を掛けられることが増え、元気をもらっています。これからも継続して続けたいし、多くの子どもたちにスポーツの楽しさを伝えたいです。
―パリ五輪は射程圏になるのですか?
これからの2年でポイントを累積しても、かなり厳しい状況なので、2028年のロス五輪に照準を合わせたいです。今年29歳となりますが、年齢による衰えは全く感じないし、30歳を過ぎてピークを迎える選手も多い。まだまだ伸びしろはあるし、「やるしかない!」という気持ちが強いです。2023年を「復活のスタートラインの年」と位置付けています。自分で限界をつくらず、挑戦し続けたいと思います。
 

「シンケン聞きたい!10クエスチョン」

好きな食べ物は?/嫌いな食べ物は?
うなぎ。遠征前や試合前に食べる/納豆、トマト
冷蔵庫に必要なものは?
プロテイン、サプリメント
コンビニで思わず買ってしまう商品は?
最近、グミにハマっている
趣味は?
体調管理を兼ねて、温泉とサウナ
ストレス解消法は?
サウナで整うこと
最近買ったものでうれしかったのは?
電動ローラー。足の疲れが取れて気持ちいい
朝のルーティンは?
温泉、サウナに行って、コーヒーを飲む
10年後の自分を想像すると?
運動はしている
今一番欲しいものは?
1カ月の完全オフ
人生に必要な三つは?
運動、心の余裕、温泉&カフェイン