剣道

再インタビュー

竹下 洋平 Yohei Takeshita

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プロフィール

成績
  • 2018年 第17回世界剣道選手権大会 団体優勝
  • 2018年 第66回全日本剣道選手権大会 3位
  • 2019年 第67回全日本剣道選手権大会 3位
  • 2022年 九州管区内警察剣道大会 団体3位
    全国警察剣道大会 団体第2部 3位

2023.3.24

剣道を通じた自己実現とさらなる高みを目指して

コロナ禍で各種大会が中止や延期となったが、稽古ができない期間は、技の研究などに力を注いだ。選手としてのピークは越えたと感じているが、その先の高みを目指し稽古に励んでいる。「大分の剣道のため結果を出し、後輩の育成に貢献したい」という。

 
―コロナ禍の影響は受けましたか?
各種大会が中止や延期となるなど、選手としては、稽古の成果を発揮する場を失うという大きな影響を受けましたが、2021年頃から少しずつではありますが、大会出場や出稽古に行く機会が増えてきました。感染予防対策として、対面稽古ができなかった期間については、筋力トレーニングや一人稽古などで体力の維持に努めてきました。
―剣道人生において、長期間試合や稽古ができないことはありましたか?
学生時代は、高校、大学の受験の際に学業に専念した時期はありましたが、今回のように長期間にわたって対面稽古を行わないことは初めてでした。試合や対面稽古ができなかった期間は、自主トレ以外にSNSを活用し、過去の剣道の大会動画を見ながらトップレベルの選手の技術の研究・分析を行いました。参考となる技については、同じ動きをしながら体に覚え込ませました。稽古ができない不自由な時間ではありましたが、結果として、今まで手をつけられなかった技の研究・分析時間の確保ができ、さらなる成長につなげることができました。
―客観的に見つめ直すことで、変化はありましたか?
これまでは力(ちから)対力(ちから)のスタイルでしたが、今は柔軟な体の動かし方など、自然な体の使い方を意識して稽古を行っています。無駄な動きがなくなったことにより、けがを減らすこともできました。
 
―剣道に対するモチベーションが下がることはなかったのですか?
試合に出場できず、モチベーションが下がりかけたこともありました。しかし、皆同じ境遇ですし、これまで共に汗を流してきた仲間がいたので、支えあうことができました。また、当たり前に剣道ができていた日々を振り返り、自分の剣道のレベルを向上させることが、ひいては大分の剣道のレベル向上につながる、そのような存在にならなければと、認識を新たにする機会にもなりました。
―試合に出たときはブランクを感じましたか?
コロナ禍で試合が中止されてから、約3年ぶりということもあり緊張しましたし、ブランクも感じましたが、試合ができる高揚感の方が強かったと思います。私の中で、剣道というものの存在がどれだけ大きかったか改めて実感するとともに、思ったとおりの結果が出ず、勝負の世界の厳しさも同時に味わうこととなりました。
―剣道選手としてのピークを、どのように考えていますか?
私は現在34歳で、剣道選手の中ではベテランと呼ばれる世代です。振り返ると、私のピークは30歳頃だったのではないかと思いますし、剣道界を見てみますと、個人差はあると思いますが、これくらいの年代が、一番脂がのっているのではないかと感じています。しかし、私が全日本選手権に出場していた頃は、36、7歳の選手がまだまだ活躍していましたので、ピークを越えたとはいえ、その先の高みを目指して稽古に励んでいます。また、現在の剣道は、技の完成度に加えて身体能力の高さも、今まで以上に求められるようになったのではないかと思います。SNSの普及により誰でもトップレベルの選手の技、技術を目にすることができるようになったこと、さまざまなトレーニング方法の確立により、効率的な身体能力の向上が可能となったことから、今よりも若い年代でピークを迎え、ピークの期間も長くなっていくのではないかと考えます。
―アスリートの引き際は選手それぞれの考え方がありますが、竹下さんは引き際を考えていますか?
私は、選手から指導者への変わり目が、引き際だと考えています。私が目指す指導者は、言葉だけではなく自らが見本を示す指導ができること。したがって、体力面を考えると、ある程度の余力があるうちに、変わり目の判断をすることになると思います。
―どのような引き際が幸せなのでしょうか?
幸せな引き際というのは、ないと思います。これまでの人生のすべてを懸けて打ち込んできたものを終わらせる判断をするということは、とても辛いことだと思います。我々アスリートは、幸せな引き際を得るために頑張っているのではなく、少しでも上達をしたい、あと一歩先を求めて、皆歯を食いしばって日々努力をしているのではないでしょうか。その結果、最後に引き際を迎えたとき、「自分はやり切った」という感情が芽生えれば、十分だと思います。
―今後の目標は?
まずは大分の一選手として努力を惜しまず、良い成果につなげていきたいと思います。さらに、私がこれまで学んできた技術力、精神力などを機会があれば他の選手とも共有し、大分の競技力の向上にも少しでも貢献できればと思います。
 

「シンケン聞きたい!10クエスチョン」

好きな食べ物は?/嫌いな食べ物は?
焼き肉(頑張った自分へのご褒美)/ゴーヤー(純粋に苦い)
冷蔵庫に必要なものは?
牛乳とチーズ(カルシウム)
趣味は?
ゴルフ(常にベストスコア更新を目指す)
ストレス解消法は?
運動(ランニング)
最近買ったもので、うれしかったのは?
アップルウオッチ(健康管理が楽)
子供の頃の夢は?
警察官(夢を実現できました)
最近、うれしかったのは?
若手選手が強くなっていることを実感したとき
健康のために我慢していることは?
お酒を控える
好きな言葉は?
効果的な努力
人生に必要なもの、ことは?
食事、睡眠、学び