再インタビュー

財津 美加 Mika Zaitsu

2023.3.24

モチベーションを高く保ち、結果を出し続けパリ五輪を目指す

東京五輪の出場は逃したが、最終選考メンバーまで残り、貴重な経験をした。「繊細さと大胆さが必要」と悟り、新しい銃に持ち替えて心機一転を図る。自分に限界をつくらず、成長し続けることをモチベーションとし、技術向上とメンタル強化に励む。ワールドカップや世界選手権で結果を出し、次こそは五輪の舞台に立つことを目指す。

―東京五輪の出場はかないませんでしたが、それまでの過程を振り返ってください。

選考会で負けてしまい東京五輪の道が断たれましたが、１年延期になったことで再びチャンスが訪れて、最終選考会まで残ることができました。一度は諦めていた五輪出場の希望が見えたのですが、気負いしてしまい変に力が入りすぎました。元々、追われる立場ではなかったので、もっと大胆にいけばよかったと後悔しています。

―東京五輪はどのような立場で見ていましたか？

悔しい気持ちから、正直、最初は見たくないという思いもありました。しかし、一緒に選考会を戦った仲間がオリンピックに出場していると思うと、結果がとても気になりましたし、次は自分があの舞台に立つんだという気持ちで応援していました。

―東京五輪後の変化はありますか？

銃が壊れたこともあって、別の銃に替えて一区切りつけました。なじみのある銃を替えるのは難しい判断だったのですが、「もうこのタイミングしかない」と思いました。新しい銃はメーカーが異なるので、重さやグリップの角度などが違います。撃てないことはないのですが、自分に合うように調整や練習を繰り返し、数カ月かけてなじませました。

―新しい銃のデビュー戦はどうでしたか？

意外と違和感なく撃てたという印象です。コロナ禍で試合が少なく、準備期間が長かったのが良かったと思います。練習では前の銃と同じぐらい結果は出せるようになったのですが、公式戦で自己ベストを更新できたのは、2022年4月のアジア大会とワールドカップバクーの選考会です。2019年の全日本ライフル射撃競技選手権大会以来の自己ベストで、（600点満点中）583点を出すことができました。

―ピストル競技に必要な能力は何でしょうか？

集中力や繊細さも必要ですが、繊細すぎると指が動かなくなり、トリガーを引けなくなることもあるので、ある程度の大胆さも必要だと思います。

―自分を分析したときに他の選手より秀でているものは何だと思いますか？

集中力でしょうか。自分の世界に入ったときのぐっとくる感じ。周りの影響を受けないことは強みだと思います。ゾーンに入ると自信を持って撃てますし、どこを撃っても当たるような感覚があります。

―今後、強化したいことはありますか？

技術力をさらに上げていきたいです。絶対的な技術を身につけることで自信につながり、試合でも動じず実力を発揮できると信じています。

―今後の目標は？

パリ五輪に出場したいです。そこに向けて、まずは出場枠を獲得するため、世界選手権などの世界大会で結果を残せるように、自分のやるべきことをしっかりやっていきます。東京五輪で最終選考に残った経験を生かし、守りに入らず上を目指していきたい。上にいる選手を追い抜いて、自分が引っ張っていけるようになりたいです。

大分合同新聞 取材記事