ウエイトリフティング

再インタビュー

野中 雅浩 Nonaka Masahiro

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2022.09.28

さらなる高みへ

前回の取材から3年がたち、野中雅浩を取り巻く環境はずいぶんと変わった。活動拠点を地元の大分市に移し、手術した膝は順調に回復している。今年(2022年)5月の全日本選手権に109㌔超級で出場し、3位入賞。パリ五輪への道が再び見えてきた。今年1年を「勝負の年」と位置づける野中が、完全復活に向けて闘志を燃やす。

 
―3年前に地元に帰り、心機一転となりましたが、直後のコロナ禍で、思うような練習ができない時期もあったと思います。どのような時間を過ごしたのですか?
地元に帰ってからは、ジムのトレーナーをしながら練習を続けていました。ちょうどその頃に新型コロナウイルスがはやり始めたのですが、職場がジムだったこともあり、練習場所と練習時間を確保できたのはラッキーでした。ただ、大会がことごとく中止や延期になり、調整はもちろん、高い意識を保つのが難しかったです。唯一よかったことは、膝の手術をした直後だったので、リハビリの期間を長く設定できたことです。
―今年4月から、トップアスリートと県内企業のマッチングを図る「アスナビ・チーム大分プロジェクト」により、競技に打ち込める環境を手にしましたね。
今は株式会社ビッグサンにお世話になっています。午前中に勤務し、午後からは練習に打ち込める環境となりました。安定した生活と競技の両立は、全てのアスリートの願いです。社長とはフィーリングが合うし、会社の雰囲気もよく、充実した生活を送れています。
―普段はどのような練習をしているのですか?
僕の階級は体重制限がないので、体を大きくすることに重きを置いています。車と同じで、車体が大きく、エンジンが大きければ大きいほどパワーは出ます。大会があるときは2カ月前から、競技用の体に移行する作業に1カ月かけ、残りの1カ月は微調整を繰り返すという作業になります。
 
―ウエイトリフティングは技術も必要な競技ですが、野中選手の階級ともなれば、「力こそが全て」となるのでしょうか?
技術があっても力がないとバーベルは上がらないし、技術がなくても上がるものは上がる。技術が足りなくてフォームが崩れることもありますが、それ以上に、力がなくてフォームが崩れることの方が多い。圧倒的な力をつけることが勝つための最短距離だと僕は考えています。3年前に手術する前までは、限界を感じていました。膝に故障を抱え、練習できない時期が続いたことから、手術をしないとこれ以上の余白をつくれないと思い、手術を決意しました。今は後悔がない。手術してよかったと思います。今年は26歳になる年なのですが、28、29歳まで進化できると思っています。
―今年5月の全日本選手権に出場して、378㌔(スナッチ160㌔、ジャーク218㌔)で3位入賞しました。率直な感想は?
昨年、一昨年とコロナ禍で開催時期が二転三転し、調整が難しかったのですが、今年はいつもと同じ時期にあったので照準を合わせやすかったです。結果については、自己最高のスナッチ175㌔、ジャーク223㌔を更新できていないので、納得はしていません。ただ、ライバルであり、パリ五輪の出場を争うであろう村上(英士朗)さんや知念(光亮)さんの背中は見えました。
―パリ五輪まで、あと2年。出場するために必要なことは?
世界大会は大学4年のときに出場したのが最後。世界は意識しますが、国内に身近なライバルがいて、その2人を倒さないと世界に行けない。ただ、その2人を超えればおのずと世界と戦える。技術のレベルに差はない。大きなテコ入れをせず、自分の路線を貫けばいいと思っています。膝のけがをしてから実力差がついたけれど、追いつけない差ではない。今は自力をつけ、試合で100%の力を出せるような調整をしたいです。まずは来年の全日本選手権で2位以内に入らなければ五輪の道は開かないので、この1年間が勝負になると思っています。
 

「シンケン聞きたい!10クエスチョン」

競技のこだわりは?
スナッチとジャークの2種目でシューズを変える
好きな食べ物は?
回鍋肉(ホイコーロー)
嫌いな食べ物は?
バナナ、キウイ、ブドウ、モモ、タケノコ、カニ。実は食物アレルギーが多いんです
趣味は?
マンガ。最近「ONE PIECE」が熱い
最近、うれしかったことは?
仕事の関係で船の免許を取ったこと
オフの過ごし方は?
温泉巡り。別府八湯温泉道名人を目指しています
好きな言葉は?
日進月歩
10年後の自分を想像すると?
第一線は退くが、ウエイトリフティングに関わっている
今一番欲しいものは?
バイクの免許を取ったので、バイク。時計も欲しい
人生に必要な3つは?
根性と運、そして友だち
 

プロフィール

生年月日 1996年7月17日
出身 大分市
身長/体重 182cm/155kg
成績
  • 2015年 アジアジュニア選手権 男子105㌔超級 4位
  • 2016年 第71回国民体育大会 優勝
    世界ジュニア選手権 男子105㌔超級 10位
    アジアジュニア選手権 男子105㌔超級 5位
  • 2017年 全日本学生個人選手権 男子105㌔超級 準優勝
    アジアシニアカップ 男子105㌔超級 2位
    全日本選手権 男子105㌔超級 準優勝
  • 2019年 第74回国民体育大会(茨城) 3位
  • 2021年 全日本選手権 男子109㌔超級準優勝
  • 2022年 全日本選手権 男子109㌔超級 3位